白米のように炊けて玄米の栄養をしっかりとれる「無洗米玄米」って、どんなお米?
玄米を毎日の食事に取り入れてみたいけれど、炊くのが面倒でハードルが高い……。
玄米は食物繊維やミネラルが豊富に含まれている、まさに天然の栄養食。
でも炊く前に一晩は浸水させないといけないし、100%玄米は少し食べにくいので白米に混ぜて炊くけども、あまりおいしくない……。
今回は、そんな方におすすめの『無洗米玄米』についてご紹介します。
玄米のおいしさ・栄養価はほとんどそのままに、炊く手間が格段に省けるという無洗米玄米。玄米ファンにも、ぜひ知ってもらいたいストレスフリーな玄米です。
無洗米玄米は、白米の手軽さと玄米の栄養いいとこどりの米!
『無洗米玄米』の特長
- 白米と同じように浸水時間もなく白米モードで炊ける。
- 玄米とほぼ同様の栄養を摂れる。
- 白米と玄米のいいとこ取りのお米。
無洗米玄米とは、“無洗米”と同じ工程で加工した“玄米”のこと。無洗米と同様に加工することで、手軽に炊ける玄米を実現しています。
でも、無洗米と同様に加工するって、どういうことでしょう?
無洗米玄米の詳しい加工方法について、スマート米®の精米を一手に引き受けている株式会社斎藤商店の代表取締役・齋藤孝弘さんに教えていただきました。
無洗米玄米は、AIやドローンといったテクノロジーを使い、農薬使用量を抑えて育てられた、あんしん・安全なお米『スマート米®』の仲間です。2018年産の米は、第三者機関の残留農薬分析において、「さがびより」「ヒノヒカリ」「にこまる」「まっしぐら」の各品種は残留農薬が「不検出」となっています。
『無洗米玄米』の加工方法とは
まず玄米とは、稲から籾殻(もみがら)だけを取り除いた、精白されていないお米のこと。精米工程で除かれる“ぬか層”や“胚芽”が残った状態で、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富に含まれ栄養価が高い反面、ぬか層が浸水を阻むために、炊く際に長い浸水時間が必要になります。
無洗米玄米は、この“ぬか層”の表面に細かな傷をつけて、浸水しやすく加工した玄米です。この加工では、玄米の栄養分を残すことができるのが大きな特徴となっています。
無洗米玄米のお米。見た目では玄米との違いは感じられません
詳しい加工のプロセスは次の通りです。それぞれ専用の機械を通して加工していきます。
- 玄米から、小さい粒や、石などの異物を取り除く。
- 玄米用の色彩選別機で、緑の未成熟米や色の悪いものを取り除く(滝のように流れていく玄米の中からセンサーで瞬時に識別し、エアガンで一粒ずつ吹き飛ばす!)。
- こうしてできた整粒ほぼ100パーセントの玄米を、白米の無洗米と同じ機械で加工。らせん状のブラシが回りながら、下からお米を持ち上げてぬか層を加工する“乾式”を採用している。
加工の過程での他の米と混ざらないよう、いわゆるコンタミネーション対策として、すべての機械を掃除してから加工するなど細心の注意を払います。
無洗米玄米の栄養価は、ほぼ玄米と同じ!
このように、無洗米玄米は、ぬか層を除去するのではなく、傷をつけて加工した玄米だから、栄養価がほとんど損なわれないのが特長のひとつです。
専門機関の検査によると、無洗米玄米と玄米ではほとんど栄養価が変わりません。両方とも白米と比べると、ミネラルやビタミン、食物繊維で大きな差があります
ちなみに、“分づき米”というものがありますが、分づき米とは、白米を10割の精米率として、何割精米しているかで、3分づき米、5分づき米、7分づき米となります。精米の工程で、お米に圧力をかけて米同士で削りあったり、石臼で削ったりしてぬか層を取り除いたもので、栄養分もかなり削り取られているとのことでした。
無洗米玄米の保管方法
ぬか層が残っているということは、栄養価が高いということである一方、油分も残っていて、無洗米玄米は酸化が大敵です。保管は、できるだけ酸素にふれないよう小分けにした袋などでの保管がおすすめです。
普通の米袋は、流通の都合上、空気が出入りできる材質です。そのため酸化が進みやすくなっています。
無洗米玄米300gのパッケージは、酸素濃度5パーセント以下の真空パックです。
これなら酸化が進まず、約半年は、ほぼ加工したてと同じ味で食べることが可能です。
また、高温多湿も避け、可能であれば冷蔵庫の野菜室での保管がよいでしょう。
無洗米玄米のおいしい炊き方とアレンジ!
無洗米玄米は、ぬか層が浸水しやすく加工されているため、白米と同様に炊いて美味しく食べられるところが最大の特長です。玄米特有のプチプチとした食感と、もっちりとした白米のいいとこどりの味わいが楽しめます。
また、白米とおなじように炊けるので、白米と混ぜて炊いてもふっくらした玄米が楽しめるのもうれしいところ。玄米に慣れていない方は、玄米と白米を2対8くらいからはじめてみてはいかがでしょうか。玄米の食味に慣れてきたら1対1でもおいしく炊けます。
玄米と白米を混ぜて炊けば、カレーなどにもぴったり。
ちなみに、無洗米玄米も白米と同様に、少し浸水時間を取れば、さらにおいしく炊くことができます。
齋藤さんに、おすすめの炊き方を教えてもらいました。
- さっと洗って、約30分間、水に浸けておく。
- 浸水後、5分間、ザルにあけて水を切って置いておく。 ★ポイント!
- 白米と同じ水加減で、白米と同様に炊く。
「2」のザルで一休みさせるのが、ポイントです。ほんのひと手間で、一粒一粒が立って、より一層もちっと美味しくなります。
このほかに、じつは炊き込みご飯もおすすめだそう。
齋藤さんは次のようなレシピでよくつくっているそうです。ぜひおためしあれ!
- 乾燥した昆布をハサミで細かく切って入れ、油揚げ、麺つゆと炊く
- ツナ缶とビン入りの味付けなめ茸を入れて炊いく
また、特に暑い夏におすすめなのが、炊く際に、小さじ一杯のお酢を入れておく方法。梅干しをいれて炊くのと同じで、ご飯のもちがよくなり安心なのだそう。炊きあがりに、多少お酢の香りはしますが、食べる分には気にならないということで、さっそくやってみましたが、確かにまったく味は変わりませんでした。おにぎりショップ「たさぶろう」も経営されている齋藤さんならではの豆知識です。
そうそう、もちろんおにぎりにしてもふっくらおいしくいただけます。齋藤さんのお店でも無洗米玄米のおにぎり、人気です。
お話をうかがった方
株式会社斎藤商店 代表取締役 齋藤孝弘さん
創業1804年、地元・白河を愛するお米専門店。「次代の米屋」として、お米から、お惣菜、箸・ごはん茶碗・食卓まで、お米にまつわる商品をトータルにプロデュース。
※「スマート米®」は、株式会社オプティムの登録商標です。
■玄米食をはじめるなら、残留農薬不検出の「スマート玄米」がおすすめ。無洗米玄米も選べます。
玄米で心配なのは農薬の問題。胚芽などに農薬が残りやすいといわれています。玄米食をはじめるなら、残留農薬検査済みの安心・安全な玄米をえらびたいもの。スマート玄米は残留農薬不検出の安全な玄米です。無洗米玄米と通常の玄米がラインナップ。詳しくは
こちらから。
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