成長期のお子さん向けのお米は? 新米の季節にチェックしたいお米の選び方
栄養士の堀口泰子です。暦ではもう秋、いよいよ新米の季節ですね。
近年はたくさんの品種のお米が出回っています。目新しいお米が気になっていても、挑戦する勇気がないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、新米の季節だからこそ試してほしいお米の選び方についてご紹介します。
味と食感の違い、あなたのお好みは?
日本では300品種以上のお米が栽培されていますが、その中でも作付面積の上位を示しているのは「コシヒカリ」やその子孫の品種です。
「コシヒカリ」はふっくらもっちりとした粘り気と、強い旨みがあり、わたしたちの多くが馴染みある品種です。一方、「ササニシキ」はねばりが少なく、あっさりしており、粒感がしっかりしている食味として代表的な品種です。
近年の温暖化によってコシヒカリなど暑さに弱い品種は、米が実る時期に高温になると、米粒が白く濁り品質が落ちやすくなります。また、ササニシキは冷害に弱い品種といわれています。
そこで、地球温暖化や冷害などに対応し、産地の気候に合わせて新しい品種に改良されてきました。そのようにして現在は、農家さんの努力によってたくさんの品種が栽培されているのです。新しい品種の米は地球環境や時代の流れ、日本人の味覚の変化によって生み出されてきたといえそうですね。
たくさんの種類のお米がありますが、「美味しい」と感じるものを選ぶことが一番です。
お好みは柔らかめですか? それとも硬め?
お好みに合わせた選び方の目安は大きく分けてその2つです。柔らかめ、硬めの代表的なお米をいくつか選んでみましたので、まずはその2つから選んでみるのもいいでしょう。
食味別 代表的なお米
●柔らかめのごはんが好き・炊飯時に水加減を多めにしている方は、もっちりやわらかめの品種
もっちり・やわらかい系→ミルキークイーン、コシヒカリ、にじのきらめき
もっちり・ふんわり・あっさり系→ひとめぼれ、こしいぶき
やわらかいねばり・ふんわり系→つがるロマン
●硬めのごはんが好き・炊飯時に水加減を少なめにしている方は、ねばりが少なめの品種
ねばり少なめ・あっさり系→天のつぶ
ねばり少なめ・粒感しっかり・さっぱり系→まっしぐら
ライフスタイルに合わせたお米の選び方
ねばりが強くやわらかいお米は耕作量が多い関係で、馴染み深く好まれる傾向がありますが、実際に食べ比べてみると人によって体調に合うお米が違う場合があります。
例えば、ごはんを食べると眠くなりやすい方は粒感がしっかりした品種、食が細いお子さんはもっちりよりもあっさりした品種のほうが食べやすい場合があるのです。
理想的な体づくりやライフスタイル、体調に合わせた選び方の一例をご紹介しましょう。
●早食いをしがち、よく噛んで食べたい方、丼ものやカレー、中華、野菜が好きな方
ねばりが少なく粒感がしっかり、あっさりした品種→
まっしぐら
●
お弁当やおにぎりを作るご家庭、よく噛んで食べたい方、洋食、チャーハン、お茶漬けが好きな方
食べ応えがあり、冷めても美味しい。粒感がしっかりした品種→
天のつぶ
●
やわらかいごはんが好き、食欲旺盛のお子さんがいるご家庭、肉料理が多い方
ねばりが強く、もっちりした品種→
コシヒカリ、にじのきらめき
●
食が細いお子さん、高齢者のいるご家庭、胃腸が弱い方、炊き込みご飯が好きな方
しつこすぎない甘さであっさり、ふっくらやわらかい品種→
ひとめぼれ
●
成長期、しっかり食べさせたいお子さんがいる、お弁当があるご家庭、魚料理が好きな方
米粒感かしっかりして、つやがあり冷めても硬くなりにくい、あっさり食べられる品種→
こしいぶき
いかがでしたか。好みや味の感じかたは人それぞれなので、上記の食味は目安になります。収穫年度や産地によっても違いがあるので、新米の時期こそ、その年ごとのいろいろな品種を試してみるのも楽しそうですね。
また、お米を美味しく食べることが、健康づくりだけでなく、地球温暖化などに対応し日々努力を重ねている農家さんを応援し、日本の稲作文化を守る第一歩になっています。
今年の新米の季節はぜひ、食べたことがない品種やさまざまな産地のお米を食べて、あなたにぴったりなお米を見つけてみてくださいね。
堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:
https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
■せっかく新米を選ぶなら家族みんなにあんしん・安全なお米を
今年の新米は、どの産地のどんな銘柄のお米を選びますか? お米を選ぶときは、自分好みの味わいだけでなく“栽培方法”も大事なポイントです。農薬や化学肥料の使用量を抑えて育てられた、子どもや家族みんなにあんしんなお米を選びたいですね。
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この記事の転載元
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