子どもの熱中症対策に「ごはん」がいいのはなぜ?
栄養士の堀口泰子です。
夏は熱中症が最も多くなる季節です。とくにお子さんは大人のようにうまく汗をかけず、体温を十分に下げることができません。
そんな熱中症対策に「
お米」が役立つことはご存じでしょうか。
食事からできる熱中症対策とお米の役割についてご紹介します。
お米の水分量は?
お子さんは、体温調節機能や汗をかく機能が未成熟です。大人と比べると暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのも時間がかかってしまうため、体温が上昇しやすくなります。
また、全身に占める水分の割合が大人より高く、体重に比べて体表面積が広いので、気温など周囲環境の影響を受けやすいことからも熱中症のリスクが高いといえます。
熱中症対策のための水分補給の鉄則は
1.こまめに
2.喉が渇いたと感じる前に
3.発汗量に応じて
です。
とはいえ、お子さんは遊びもスポーツも夢中になると、理想通りの水分補給ができていないことが多いのではないでしょうか。また、身体に異変が起きていても気づきにくく、自分で自らの体調の変化を訴えられないこともあります。そのため、周囲の大人が気にかけて声かけを必要があります。
それに加えて、
水分は飲み物だけでなく、食事からも補給することができます。食事からの水分補給としておすすめなのが
ごはんです。
ごはん100gにはおよそ60gの水分が含まれています。お茶碗1杯分のごはんを1日3回食べれば、およそ270mlの水分補給を行ったことになります。ごはんを食べることは、お子さんの熱中症対策に大いに役立つといえそうです。
熱中症対策におすすめのお米の食べ方
熱中症対策のためにも、ごはんを食べる時にぜひ組み合わせてほしいのが
みそ汁です。汁ものを飲むことで水分摂取量が増えるだけでなく、発汗によって失われるミネラルを補うことができます。
ほかにも、和食は野菜や豆腐など使用する食材に水分が多く、煮物や蒸し物などの調理方法によっても水分摂取量を増やすことができます。
また、食事中に飲みものをたくさん飲み過ぎると、胃の容量が小さいお子さんは食事が食べられなくなったり、胃液が薄まることで消化器官が未成熟なお子さんの消化の負担が大きくなります。
その点、欧米の食事よりも和食の方が献立としての水分量が多くなるうえ、お米は粒食なのでそしゃくを促す食材という点からも、その予防にもなっています。
このようなことから、
ごはんとみそ汁の組み合わせを軸とした和食を食べることが熱中症対策につながるのです。朝からしっかりごはんとみそ汁を食べると、一日の活動前の水分補給と熱中症対策ができますよ。また、1日3食しっかり食べることも大切です。食事回数が少なければ、水分摂取量も減ることになります。
胃の容量が小さく、消化器官も未成熟なお子さんには、おやつの役割も大切です。不足しがちな栄養や水分を補うために、
おやつにおにぎりを食べるのもよいですね。
いかがでしたか。今年はご家族全員でごはんをしっかり食べて熱中症対策をしてみてくださいね。
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堀口泰子
栄養士。フィットネスクラブ専属栄養士を経て独立。健康食育事業やアスリートサポートに従事。健康的で美味しく食べる食事術を伝える。講演、栄養指導、コラム執筆、レシピ、商品開発、料理講師など幅広く活動。離乳食から介護予防まで様々な食育活動のなかで、健康に役立つお米の食べ方を紹介。スポーツの現場ではジュニア育成と競技競技力向上ための心と体の成長に注力している。
HP:
https://eiyoushiyakko.jimdofree.com/
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