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糖質制限ダイエット、ごはんを食べる?食べない?【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

糖質制限をしている方のなかには、糖質の代表格であるごはん(お米)を食べないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ごはんを食べないとやせるのか、糖質制限をしたいときにごはんの量はどのくらいにすればよいのかについて見てみましょう。


糖質制限とはどんなもの?


炭水化物、たんぱく質、脂質のことをエネルギー産生栄養素(三大栄養素)とよんでおり、人の体はこの3種類の栄養素をエネルギー源に生命を維持しています。

炭水化物は糖質と食物繊維の総称ですが、食物繊維は人の体の中ではほとんど消化吸収されずエネルギー源としてごくわずかなため、炭水化物と糖質を同義語として使う場合もあります。

糖質制限は、糖質(炭水化物)ではなく、脂質やたんぱく質をメインのエネルギー源とする方法をさします。

糖質を含む食品を完全に摂らないものから、炭水化物の量を減らすもの、夜だけ炭水化物を食べないものなど、さまざまな方法があります。

 

近年のダイエットとしては、単なる糖質制限よりも、「血糖コントロール」によって血糖値の急上昇や血糖値スパイクを防ぐといった視点が持たれることが多くなっています。

普段は正常な血糖値でも、食後の血糖値が急上昇や急降下を繰り返す状態を「血糖値スパイク」と呼び、健康診断でも見つかりにくく、糖尿病予備軍ともいわれています。日常的な血糖値の急上昇に対応するためにインスリンが過剰分泌されることでかえって低血糖になり、頭痛や眠気・だるさが頻繁に引き起こされるようになります。

また、高血糖は動脈硬化などの生活習慣病の原因となったり、体脂肪の蓄積につながったりすることに注目され、単に糖質を制限することよりも、血糖値を上げない食べ方が重要視されており、食べ方や栄養バランスに重きを置く傾向になっています。

糖質を制限しすぎると一般的に脂質やたんぱく質からのエネルギー摂取が増えるため、栄養バランスが崩れやすくなり、別の健康リスクが高まる事例も報告されています。

糖質制限にはコントロールの難しさやデメリットもあり、専門家の中でも賛否があることを知っておきましょう。

ごはんを食べないとやせる? 


やせるためにカロリーを減らしたい。だからごはんは一切たべない。こんなダイエット方法をしている方はいませんか?

もちろん、減量を考えるうえでカロリーのプラスマイナスは考慮したほうがよいでしょう。しかし、単にカロリーを減らすためにごはんをはじめとする炭水化物を制限することが、実は不健康な食習慣につながってしまうというのは、今では多くの人が知っているのではないでしょうか。

食事をして活動をするとまず糖質がエネルギー源として使われます。エネルギー補給をしなければ、脂肪や筋肉中のたんぱく質を分解してエネルギー源として利用します。

筋肉のたんぱく質の分解を防ぐためには、糖質を摂取し、筋肉中にグリコーゲンとして糖質をある程度貯蔵しておく必要があります。

完全に炭水化物を摂らずにダイエットをした場合、以下のようなことが起こると考えられます。

  • 思考力の低下・メンタルの不安定
ごはんなどの炭水化物を食べないことで、脳の主なエネルギー源であるブドウ糖が不足。脳が栄養不足に陥り、ぼんやり、イライラすることが増える。

  • 健康レベルと運動量の低下
たんぱく質・脂質のみを多く摂取するようになるが、一度に消化吸収できるたんぱく質量には限りがあるため、筋肉中のグリコーゲンが枯渇すると筋肉の分解が進み筋肉量が低下するうえ、せっかく摂ったたんぱく質が筋肉合成に利用されない。

また、脂質とたんぱく質をエネルギー源にするのには時間がかかると同時に、肝臓や腎臓・胃・腸にも負担がかかる。

  • 便秘になりやすくなるなど腸内環境の悪化
炭水化物に含まれる食物繊維が不足することで、腸内環境が悪化する。

  • 糖質制限をやめたときにリバウンドしやすくなる
慢性的な糖質制限により糖質の利用効率が低下し、血糖値が下がりにくくなる。

ごはんをはじめとする炭水化物は、消化吸収されて体内でグリコーゲンとして貯蔵される際に水分子と結びつきます。炭水化物を減らすことで筋肉中の水分量が減少し、はじめのうちは数字の上で体重が減っているように見えることがありますが、糖質制限の慢性化はデメリットも多いといわれています。

糖質は体脂肪を燃やす時の着火剤と例えられることもあります。ごはんを全く食べないダイエットでは活動量も低下しやすいため、中長期的に見ると、「やせる」とはいいがたいでしょう。


ゆるやかな糖質制限の場合、ごはんの量は?


それでは、ゆるやかな糖質制限をしたい場合、ごはんの量はどのくらいにすればよいのでしょうか。

脳、神経組織、赤血球などは、通常ブドウ糖しかエネルギー源としないのですが、中でも脳は基礎代謝量の約20%を消費するといわれています。

肝臓において、分解された筋肉や脂肪組織の一部を利用してブドウ糖の供給がなされるため、その数値はあくまでも参考レベルとしてとらえる必要がありますが、前述の組織で使われるブドウ糖量を考慮すると、基礎代謝量を1500kcal/日として推定される糖質の最低必要量はおよそ100g/日と考えられています。

参考値ではありますが、糖質100gをごはん量に換算すると280g程度の計算になります。お茶碗一杯のごはんはおよそ150gなので、一日に2杯弱と考えるとよいでしょう。

糖質は気になるけどもう少しごはんを食べたいという人には、玄米もおすすめです。

同じ糖質100gでも玄米なら290g相当になりますし、玄米は歯ごたえがあり咀嚼回数が自然と増えるので食事に時間をかけられることに加え、白米に比べて食物繊維が豊富に含まれているため、血糖値も上がりにくいといわれています。

いずれにしても、個人差や活動量なども考慮し、様子を見ながら量を調整する必要があるでしょう。

日本人の食事摂取基準では、理想のエネルギー比率を、炭水化物50〜65%、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%としています。この割合は、個人の体質などによっても差があるため、ある程度の幅がもたされています。

これらの割合も参考にしながら、ビタミン・ミネラルやその他の栄養成分なども考慮し、栄養バランスを整えながら食事の全体量を組み立てましょう。

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
「日本人の食事摂取基準2020年版」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。


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この記事の転載元
SMART AGRI(スマートアグリ)
「SMART AGRI」はAI・IoT・ロボットといったスマート農業について、農業関係者が必要とする情報をわかりやすくお伝えする農業×ITの専門メディアです。