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いま見直したいお米の栄養素、タンパク質に腸内環境への効果も【管理栄養士コラム】

管理栄養士の大槻万須美です。

一日にお米はどのくらい食べていますか? 朝にパン、昼にパスタ、夜はお酒を飲むため炭水化物を摂らないようにしている……など、お米をあまり食べない人も増えているといいます。

ですが、お米にはたくさんの栄養成分が含まれており、健康への寄与度も大きいことがわかっています。

お米に含まれる栄養素の中でも特に注目したい3つと、その健康への効果について見てみましょう。


知っておきたいお米の栄養素3つ


お米は炭水化物のかたまりで、それ以外の栄養素はほとんど含まれていないと思っていませんか? お米には実はさまざまな栄養素が含まれており、中でも特に注目したいのがこちらの3つの成分です。

1.血糖値の上昇がおだやかな「デンプン」


健康を維持するために重要なポイントの1つが血糖値の急上昇を防ぐこと。一方で、人が生活をする上で炭水化物を制限しすぎることは、さまざまな観点からもリスクが高いことが指摘されています。そのため、いかに血糖値の急上昇をおさえながら、炭水化物からエネルギーを確保するかが課題となります。

デンプンはお米の大部分を占める栄養素。銘柄によってもその割合は多少異なりますが、70%前後とされています。

デンプンは、体内でブドウ糖に分解されてエネルギー源となるのですが、糖がたくさんつながった形状をしており、糖のくさりを切らないと消化できないため、果物やはちみつ、砂糖に含まれている糖質に比べ、血糖値が比較的上がりにくいといわれています。

2.腸内環境の改善に! 「レジスタントスターチ」


デンプンを冷やすと「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」という成分が増加します。レジスタントスターチは、体内で消化・吸収されず食物繊維と同じ働きをします。腸内環境を改善すると考えられることから、健康への効果が注目されている成分です。

ごはんを冷やしてレジスタントスターチを増加させると、血糖値の急上昇を予防する効果がさらに高まることが、さまざまな研究により報告されています。

さらに、レジスタントスターチは、腸内細菌のエサとなり、腸内環境を良好にする作用があるといわれているのですが、腸内環境を整えることで多くの健康効果をもたらすことも知られています。例えば免疫力アップ、感染予防などの効果が大きな注目を集めています。

また、便秘や肥満を防ぐことで、生活習慣病予防効果も高まると考えられます。ごはんに含まれる食物繊維や水分などがもつ整腸作用の働きをさらに倍増させるというわけですね。

3.筋肉をつくる「たんぱく質」


お米には意外にもたんぱく質が多く含まれており、ごはん茶碗1杯(150g) で卵1/2個分のたんぱく質を、毎食茶碗1杯のごはんを食べれば、成人のたんぱく質摂取推奨量の20%前後を摂ることができます。

食後に軽い運動をすることも、血糖値の急上昇を防ぐために有効であるといわれていますが、エネルギーの確保だけでなく、筋肉の材料となるたんぱく質もごはんから補充できるため、毎食の主食としてお米は非常におすすめであるといえるのです。


栄養的にお米と合わせて食べたい食品


お米の健康へのメリットを最大限に生かすためには、お米だけをメインに食べていては良くありません。血糖値の急上昇を防ぎ、なおかつエネルギー・たんぱく質を効率的に代謝できる食べ方をすることが重要ですよ。

その要素を満たすのが、「一汁三菜」とよばれる「定食型」献立です。

一汁三菜とは、適量のごはんと具だくさんのみそ汁、主なたんぱく源となる主菜1品と、野菜や海藻がメインの副菜2品を基本としています。

それらから摂れる栄養素が充足し、食べ過ぎでないのであれば、品数を減らして構成を多少変化させるのはもちろんOK。

例えば、
  • たんぱく質と野菜を含む丼メニュー+具だくさんみそ汁+野菜の小鉢
  • 炊き込みごはん+主菜+副菜2品
などであれば定食型から変形していてもバランスが整います。

そして、お米と合わせて食べることがおすすめなのが、
  • 食物繊維の多い野菜や海藻・きのこ類
  • 豚肉・納豆などビタミンB群を多く含むたんぱく質
です。

これらは、血糖値の急上昇を防ぎ、エネルギー・たんぱく質を効率的に代謝するのを助けます。

また、動物性食品や大豆製品は、ごはんに不足しているアミノ酸を補うこともできるため、体内で効率的に筋肉などの「体たんぱく質」(体を構成しているたんぱく質)を合成することができるようになります。

みそ汁は具だくさんにすることで副菜1品と同じ野菜の量を食べることができます。みそ汁の塩分が気になる場合は、毎食ではなく1日1〜2回にするのがおすすめです。また、副菜は緑黄色野菜や根菜などもバランスよく取り入れ、お酢やごまなどで栄養価をアップしましょう。

このように、お米の健康への寄与は高いと考えられるため、食べないなんてもったいないです! お米の食べ方を工夫して、健康への効果を見直してみてはいかがでしょうか。

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
「日本人の食事摂取基準2020年版」(pdf)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

大槻万須美
管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。

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この記事の転載元
SMART AGRI(スマートアグリ)
「SMART AGRI」はAI・IoT・ロボットといったスマート農業について、農業関係者が必要とする情報をわかりやすくお伝えする農業×ITの専門メディアです。