【ごはんソムリエに聞く】おいしい玄米の選び方と食べ方は?
料理研究家でごはんソムリエの秋元です。この連載ではお米をおいしく食べるために“知っておくと役に立つお話”やレシピをお伝えします。
気温もぐっと下がり、秋の味覚が食卓に並ぶ機会も増えるこの時期、旬のものやおいしいものは食べたいけれど、太らず、できれば体に良いものを取り入れたい! そんな気持ちになる方も多いと思います。
食事全体を考えた時には、やはり主食が大きなウエイトを占めます。急激な食事制限や管理を始める前に、週に数回主食を玄米に変更してみてはいかがでしょうか?
玄米には豊富な食物繊維の他、ビタミン、ミネラルも含まれているため、好きなおかずと合わせながらそれらを自然に摂取することができます。
今回は、これから玄米を始めてみようと思っている方、実はあまり好きではない……という方にも、自分にぴったりな玄米を選び、おいしく召し上がっていただけるような簡単なポイントをご紹介したいと思います。
玄米の銘柄って味に関係ある?
白米を選ぶ時には銘柄を見ながら買っているのに、玄米の時には「あれ? 気にしていなかった」ということはありませんか? 玄米も精米すれば白米ですから、銘柄が変われば当然味わいも変わります。
玄米の食感が苦手という方は、モチモチタイプの銘柄がおすすめ。
「
低アミロース米といわれる、
ミルキークイーン、
ゆめぴりかなど、柔らかくモチモチとした食感で甘みが強い銘柄を選ぶこと」が食べやすさのポイントです。
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もちもちでやわらかいお米の代表選手「ミルキークイーン」とは【お米の銘柄紹介】
玄米のおいしい状態ってどういう状態?
玄米は硬い表皮に覆われているため、お水を吸いにくいという難点があります。その
表皮の内側までしっかり吸水され、甘みが引き出された状態がおいしい状態ということになります。
そのため、「吸水を妨げている表皮だけを削った
加工玄米、発芽させ表皮が破けている
発芽玄米を選ぶこと」も短時間でおいしく炊くためのポイントになります。
▼玄米はおうちで発芽させることができます!
おうちで簡単にできる!栄養満点の発芽玄米の作り方をくわしく解説
玄米の炊き方で味はどう変わる?
玄米はしっかり吸水され、中のでんぷんが糊化されることで甘味や粘りが出ます。
道具によって炊き方が異なるため、玄米炊飯へのハードルが上がってしまう傾向にありますが、炊き方によって白米以上に味わいが変わるのも魅力の1つです。下記のポイントを参考にご自分に合った炊飯方法を選んでみてください。
圧力鍋
浸水時間が不要で最も短時間で炊飯することができます。玄米を洗うところから約30分で、粘り気が強く、モチモチの硬くなりにくい玄米ごはんを炊くことができます。
圧力で表皮をやぶっているため、低アミロース米に限らずどの銘柄でもやわらかく炊飯でき、お米の甘みをしっかり感じることができます。
炊飯器
「玄米モード」のある炊飯器では、ボタン1つで最も手軽に炊飯することができます。白米と違う水加減も玄米用の水加減の線があり、浸水も水温を上げながら効率よく行ってくれるのも魅力で、ふっくらした玄米ごはんに仕上がります。
土鍋
手間はかかりますが、玄米本来のおいしさを感じさせてくれる上級者向けの炊飯です。
玄米は一晩浸水させ、白米の1.25倍の水加減で、火加減にもよりますが、炊飯時間は白米の約2倍です。べちゃっとせず、米粒を感じながら甘味、うまみもしっかりと味わえる玄米ごはんに仕上がります。
安心・安全なお米って?
農薬の使用や残留については、人の健康を損なうおそれのない量で規制されていますが、玄米のぬか部分には農薬が残留しやすいと言われています。玄米を購入する時には、栽培方法を確認してみましょう。
そして、より安心・安全な玄米を購入したいという方は、農薬の使用を栽培地慣行の50%減とした「特別栽培米」や、農薬だけではなく土づくりにも厳しい基準が設けられている「有機JAS」認定のものを選ぶと良いと思います。
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